『妻がBPDと分かって最初にしたこと』でも書きましたが、私はBPDの妻をなんとかしたくて、とにかくたくさんのBPD関連の書籍を読みました。
もちろん、妻の前で読むと気に障るので、こっそり深夜とか、出張の移動中とか、時には内緒で会社を休んでネットカフェなどでも読みました。
そこで少しずつ理解出来てきたBPDのメカニズムがあるのです。
周りから見ると奇妙としか思えない言動の元になる、妻の頭の中の世界。その原因となったであろう毒親との関係などなど。
私は少しずつこの病気への理解を深めていきました。
そういった書籍の中にはいろいろな対処法や、具体的な治療法などが書かれている本もありましたが、その中で私が最初に取り組んだのが「本人と病気を切り離して考える」ということでした。
つまり、理解出来ない行動や怒りの発散など、こういう行動は病気がさせているのであって妻がしていることではない、と考えることです。
なるほど、このように考えれば、妻への怒りは病気への怒りとなり、妻個人を恨むような考えにはなりません。。。なりません…が、これがなかなか難しい。
常日頃自分にこのように言い聞かせていても、感情を露わに非難されたり、理不尽な理由で怒りをぶつけられたりすると、こちらもかっとなってしまって冷静に『妻と病気は違う』と考えられないのです。
BPDの妻が試し行為で、仕事中の私に『帰ってこなければ死んでやる』とメールしたり、嫌われる、迷惑だ、と分かっていながら無数のメールをしてくる、それは自己肯定感の欠如による漠然とした寂しさや不安を埋めるための行為である。それは本を読んで分かったのです。
分かったのですけど…実際にそうされると、メールや電話されるこちらはたまったもんではありません。
もちろん本には、けして挑発に乗らず冷静に対応するよう書いてあるのです。でも頭で理解出来たからといって感情が許せるものではありません。
時にはプライドを傷つけられたり、心の痛い所を平気で突いてくることもあります。そんな時はもう、かっとなって冷静ではいられないのです。私は一瞬で怒りに燃え、壁を殴って骨折したこともありました。
でもそれは妻の本心ではない。病気が言わせているのだ、と言い聞かせるしかないのです。
それが出来るようになる第一歩としては、とにかく自分はロボット、無感情な生き物、冷静に、そして冷徹に、そう言い聞かせるのです。その時だけでよいから自分の感情を完全に殺して対応する、そう心がけました。
BPDと妻は別人格、理不尽な怒りは本当の妻の言動ではない。そう自分に言い聞かせて、病気と妻を切り離して考えるようにするのです。
もちろんこれはとても大きなストレスになるので、その分自分をケアする必要もあると思います。
また言い聞かせたからと言ってそんなに簡単に冷静になれるものでもないです。私は何年かかったかな?本当に時間が必要でした。
そしてある時、私はこう考えました。一種、諦めの境地とでも呼べば良いのでしょうか?
『BPDの妻は一生変わらない。病気は治らない。こちらから何を言っても妻は絶対に変わらない』そんな風に諦めたのです。
するとずいぶん楽になった気がします。何しろもう治らないのですから。
いや、本心では受け入れられないです。こんな生活が一生続くなんてとても耐えられない。そう思っています。
でも、そう自分にそう言い聞かせて諦めるようになってから、少しずつ心が楽になってきました。
そしてある程度のことならば冷静に、自分の感情を殺して、BPDと妻を切り離して考えることが出来るようになってきたのです。
そうやって冷静に考えるとBPDが性格なのか?病気なのか?よく理解出来るようになってきました。
そもそも『死にたい性格』なんて成立するわけがないのです。なぜならもしそんな性格の人が居たら、とっくに死んでますからね。
すると妻が『死にたい』と言うのは、やはり病気なのです。本当に死にたいのではなく、『死にたい』と言ってしまう病気とでもいいましょうか。
そう理解すると、以前より少し楽に妻の話を聞くことが出来る様になりました。
いかがでしょうか?
病気と本人は別、死にたいと言ってしまう病気、同じ行動を見ていても、そんな風に考えられると付き合い方も少し楽になります。是非試してみてください。
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