『境界性人格障害=BPD』はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ / 著者 P.メイソン、R.クリーガー 訳:荒井秀樹 野村祐子 束原美和子
恐らく、私が最初に読んだBPD関係の本だと思います。
現在では第二版になって表紙のデザインも変更されていますが、私が読んだのはこれの最初の本ですね。
当時はまだGoogleとかウィキペディアなどというものがメジャーでは無かった時代ですから、BPD関係の書籍をいろいろ調べても、まだこの本くらいしか見つからなかったです。
というわけで、当時はまだ境界性パーソナリティ障害という言葉も一般的ではなく、境界性人格障害と呼ばれていた時代の本ですね。
それでタイトルが『境界性人格障害=BPD』となっているのだと思います。
その後、BPDのうちのPDにあたる『Personality disorder』の直訳、『人格障害』という日本語の表現が、まるで人格に問題があるような表現だとして使われなくなり、パーソナリティ障害と呼ばれるようになったのは、皆さんご存じの通りです。
人格=パーソナリティ、かというと日本での受け取り方は、少しニュアンスが違いますからね。
本の内容はアメリカのBPDの専門の学者さんがこの病気について詳しく解説した本で、私の第一印象は…教科書みたい…です。
きっとBPDなどの対応に当たる専門の学生さんが教科書として勉強するのでしょうね。
とは言っても、タイトルにもあるように、BPDの人と共に生活したり、関係しながら生きている人たちに向けて、その対処法を提案していてとても役に立ちました。
ただ私の様な者が読んでいると『そんなこと、実際に出来ないよ』とか『そんなことしたら怒られるよ』と思うことも多く、突っ込みどころが満載です。
ただ、BPDについて右も左も分からなかった私に、これを読んだ瞬間『うちの奥さんコレだ!』と思わせた感動の一冊でもありす。
それは副題の『はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ』という表現でもよく分かります。これを読んだ時私は、まさにコレだ!全くそう!って思いました。
おかげで、それまで訳が分からなかったBPDの妻の不可解な言動も少しずつ理解出来る様になりました。
理解出来たからと言って全て受けいれられるものではないですが。以前よりは少し、病気と本人を区別して考えることが出来る様になったと思います。
この本の中でBPDの影響を受けて生活している人たちのことを『non BPD』と定義していて、これは今現在の私のツイッターの名前にもなっています。
またアメリカの本り翻訳なので、例題が少し日本文化と合っていない印象があります。
ホームパーティーで…とか、弁護士を雇って…とか、アメリカ社会ならではの出来事が多く取り上げられています。
しがらみだらけの日本社会では、そんなに簡単に絶縁できないですよね。。。と思う部分も多くありました。
しかし、ここで紹介する第二版では、私が読んだ第一版とは内容が変わっているのかもしれません。
BPDのことを詳しく学びたい方、BPD先進国、BPD大国アメリカの書籍ですから、基本の教科書としてお勧めします。
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