『境界性人格障害=BPD』実践ワークブック / 著者 P.メイソン、R.クリーガー
実践ワークブックということで、同名の本が教科書ならば、こちらはBPDに対して具体的にどのように対応したら良いか?その方法が書かれています。
この本を見つけた時の私は、本当に救われた気がしました。
これでBPDの妻の理不尽な怒りや、無限の不安にどう対応していけば良いのか?分かると。
自分は救われる、そんな気がしていました。
しかし、現実にはそんなにうまくはいきませんでした。
理由は…提案されている方法が、家族だけでは対応困難で、病院や地域、また家族だけでなく本人の実家や他の関係者まで含めて、同じように対応してくれないと出来ないからです。
この本が書かれているアメリカでは、社会全体でBPDに対してここで提案されているような対応をすることが理解され、実行しようとしているようです。
例えば主治医や警察や救急車だけでなく、地域社会や例えば隣に住んでいる人まで含めて、BPDについて理解して、そのターゲットになっている依存相手や家族を守るような対応をするのです。
なぜならばBPDの依存先である人は大変辛い思いをしている、というのが共通認識になっていて、みんなでフォローして支えようという社会に変化しているのです。
私の経験する日本では、未だにBPDは治らないと断言する医者もいるし、警察官は妻がBPDだと伝えて騒ぎの仲裁を訴えても「夫婦なんだから穏便に…」などと言って帰ってしまうケースが多々あります。
このような社会では、いくら私がこの本に書いてある通りにBPD本人から距離を置こうとしても実現できません。そう感じました。
早く日本も、こんなふうに社会全体でBPDを支えるような社会になればいいなと思います。
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