『愛着障害』子ども時代を引きずる人々 / 著者 岡田尊司

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『愛着障害』子ども時代を引きずる人々 / 著者 岡田尊司

子供の頃、親から当然与えられる愛着の有る関わり合いというものが、人間の精神の成長にどんな影響があるのか、という視点で書かれています。

愛着…あまり意識したことが無かったですが、小さい頃のなんとなく触れていたい…、抱っこされたい、甘えたい…、そういう欲求をそれとなく満たしてくれていた母親の愛情というものが、子供の心の成長にどれほど大きな影響を与えるのか?考えさせられる本です。

もちろん本当に愛着障害という病気があるわけではありませんが、子どもにとって親に愛情を持って接してもらえることがとても大切なんだと、改めて感じさせられます。

またBPDの先進国、アメリカの書籍や外国人の先生の本ではあまりこういう発想はないのかな、という気がします。

つまり、愛着などというベタベタした感情は、日本人特有の人情とか義理の世界でこそ通用する概念であって、個人主義の欧米文化では気がつけない発想なのかな?という気がします。

これは私の想像ですが、アメリカ映画で見ると子供はわりと小さい頃から一人で自分の部屋で寝ますよね。もちろん家が大きいというのもあるでしょうけど、個人を尊重するアメリカならでは、子供も一人の軸間として尊重されるのでしょう。

でも日本の子供は小さい頃は、親と同じ布団でくっついて寝るのではないでしょうか?親の匂い、温もり、包まれるような優しさを感じながら、心から安らげる空間を味わうのです。

愛着…とはこういう文化の中でこそ育まれて、人間の心の安全地帯として働くのではないでしょうか?

そういう意味で岡田尊司先生の本は、日本文化におけるBPDという病気をよく説明していると思います。

もしかしたら、日本におけるBPDという病気をより複雑で寛解しにくいものにしているのは、日本の文化が持つ特有のウエットな人間関係に原因があるのかもしれません。

そんな気にさせる一冊です。

ちなみに2021年2月現在、岡田尊司先生は開業していらっしゃるようなので、ご本人の診察を受けることも出来ると思います。

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