タイトルそのものズバリ、境界性パーソナリティ障害について説明した書籍です。
岡田尊司先生の著書らしく、境界性パーソナリティ障害の実例を多く交えてわかり安く紹介してくれます。
また、日本社会に合わせた表現で納得出来る部分もたいへん多く、複雑な人間関係の中で困った行動をするBPDの思考が、とてもよく分かります。
また中盤ではBPDをさまざまな型にタイプ分けして特徴を説明していて、体系的に理解することが出来ます。
実際にはそんな風に明確に区別することは出来ず、それぞれのタイプが混ざって表面化するのが本当だと思いますが、それぞれのタイプのBPDの人がとる行動について『これはあのタイプの行動だな、だったらこういう考えに基づいているのかな?」と理解するには、とても役立ちます。
岡田先生は学者さんという気がしますね。
こうしてBPDの方の行動に関する事象を整理したり、学術的に分析して整理する傾向がありますね。
それだけに、そういう理屈っぽい説明が苦手な方にはあまりお勧めできません。
逆に普段から技術文章や、理系の教科書などを見慣れている人には、頭の中が整理されて入って気安いです。
後半ではBPDを支えるための法則も伝授しています。
全くその通りにはなかなか出来ないことばかりですが、考え方や取り組み方としてたいへんに役に立つ本です。
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