『治療者と家族のための境界性パーソナリティ障害治療ガイド』 /  著者 黒田章史

BPD関連書籍の紹介

『治療者と家族のための境界性パーソナリティ障害治療ガイド』 / 著者 黒田章史

今までたくさんのBPDに関する本を読みましたけど、この本だけは他とはかなり異なります。

『治療者と家族のための』と言っているだけあって、BPD本人の視線ではなく治療者の立場でどうすべきかを明確に説明してくれています。

こういう本はなかなか無かったと思います。

しかし、ここで提案されているその方法はかなりスパルタで、BPD本人にとっては荒療治となるでしょう。

ただその荒療治こそが唯一、BPDを治す道なのだという、そういう気にさせてくれる一冊です。

特に思春期のBPDの子供を持つ親御さんには、目からうろこではないでしょうか?

大量の薬を処方するしか無い地元の精神科では、考えられない対応をします。

本当にここに書いてあるようにしたら…治療が進むことは間違いないでしょうね。

その具体的な症例なども多く紹介されています。

ですから、私はこの本を読んだ時、一種の希望の光を見たような気になりました。

それは他の書籍では得られなかった、外からBPD本人を治療する具体的な方法が説明されていたからです。

しかし同時に、この方法を行えばBPD本人が大荒れするのは必至。

穏便にBPDのままの生活を続けるのか?大荒れだけど改善を目指すのか?二者択一に迫られた気になりました。

結局、我が家では、この方法に取り組もうとしましたが本人の強い反発で断念しました。

もっと周りの環境全て、たくさんの人で支えて始めて実現するのだと思います。

私のように介助者一人では、矢面に立つのが辛すぎて…耐えられません。

その時は、コレでダメならもう一生BPDだ…と強く失望したのを覚えています。

とは言え、私はこの本をBPDの家族、とりわけ思春期のBPDの子供を持つ方などに強くお薦めします。

ちなみにこの本の著者、黒田先生も都内で開業されていますので、実際に通院してこの本のとおりの治療を受けることも可能です。

この本を読むだけでも治療は出来ると思いますので、BPDの家族で困っている方は是非一度読んでみてください。

BPDの家族が居てその治療に当たろうとする者にとって、通院せずともこの本を読むだけでもだいぶ考え方が変わると思います。

お勧めです。

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